本日2月6日はレゲエ界の英雄Bob Marleyの誕生日なのでBobのリクエストをやりました。この曲はボブの曲の中でもかなり有名な方だと思うが、死後に発見されリリースされた楽曲だそうで、1992年に初めて世に出た楽曲です。制作自体は1973年または1974年とのこと。(参考:wikipedia)
【レゲエ 和訳】Bob Marley – Iron Lion Zion
俺はジャムロックにいる(*1)
そして状況を見るに(*1)
逃亡者みたいに逃げるしか選択肢はなさそうだ(*1)
俺の生きる人生を守るために(*1)
俺は鉄のように強くなるんだ(*2)
ザイオンにいるライオンのように(*2)
俺は鉄のように強くなるんだ
ザイオンにいるライオンのように
アイロン(アイアン) ライオン ザイオン
俺は逃げる
でもこの手に銃は持ってない
奴らはお星様みたいにてっぺんに立ちたくて
違う集団との対立を引き起こすんだ(*3)
そして奴らは言ってるぜ
「鉄のように強い、ザイオンのライオンみたいだ」ってね(*4)
鉄のように強く ザイオンのライオンのように
アイロン(アイアン) ライオン ザイオン
そう俺はジャマイカにいる
(どこまでも逃げていく)
状況を見るに
(逃亡者のように逃げていく)
逃亡者みたいに逃げるしか選択肢はなさそうだ ああ主よ
ただただ俺の生きる人生を守るために
俺は鉄のように強くなるんだ
ザイオンにいるライオンのように
俺は鉄のように強くなるんだ
ザイオンにいるライオンのように
アイロン(アイアン) ライオン ザイオン…
I am on the rock (*1)
And then I check a stock(*1)
I had to run like a fugitive(*1)
To save the life I live(*1)
I’m gonna be iron(*2)
Like a lion in Zion(*2)
I’m gonna be iron
Like a lion in Zion
Iron, lion, Zion (Lion)
I’m on the run
But I ain’t got no gun
See they want to be the star
So they fighting tribal war(*3)
And they saying
Iron, like a lion, in Zion(*4)
Iron, like a lion in Zion
Iron, lion, Zion (Lion)
Yeah, I’m on the run
(Running and you running)
Seel-ya-bub, I take a stock(*5)
(Running like a fugitive)
I had to run like a fugitive, ooh Lord
Just to, just to save the life I live, oh now
I’m gonna be iron
Like a lion in Zion
I’m gonna be iron
Like a lion in Zion
Iron, lion, Zion…
引用元:Bob Marley – Iron Lion Zion
注釈
(*1)
冒頭から翻訳者泣かせの一文”On the rock”が出てきます。これはいくつかの解釈に意見が分かれると思う。
そもそもrockとは岩のことであり、聖書では神の象徴として使われている。on the rocksが岩に座礁した船の状態であるとして「危機的な状況」表す場合もある。
Bobが住んでたトレンチタウンで若い頃のBobにくっついていたという爺さんの友達に聞いてみたらこのrockは”Jamrock”=ジャマイカを指しているという。
こういういくつも選択肢がある場合いくつもの意味を兼ね備えている可能性がかなりあるので、もはや訳さない方がいいまであるのがレゲエ和訳者としての考えではあるんですが、ここそのままにしとくのも何か変なので自分の解釈ではどれかなあと考えてみた。
まず全体の楽曲が、バビロンもしくは悪からは離れようから始まってザイオンのライオンのように強くなると言っていることからBobの立ち位置としてはバビロンと対立しているポジションであり、ラスタマンだから当然ではあるけど。ライオンはラスタマンにとっての神の化身であるかつてのエチオピアの皇帝”セラシアイ”を象徴していることからJahを信仰していることが表されている。
危機的な状況から逃げ出せ!と言うのはしっくりくるし、自分は神の元にいる人間だからバビロンが蔓延るところから逃げ出せ!もしっくりくるし、ジャマイカにはバビロンが蔓延ってるから逃げ出せ!もラスタの思想、アフリカ回帰思想を持つラスタマンが言っても全然おかしくはない。
次に文法的なことを言うと、あえてrockと複数形になってない(Rocksじゃない)ことを考慮するとここは神とジャムロックの二択にしようと思った。
ちなみに昔MavadoのI’m On The Rockという曲の意味を考えてた時に、そこは神に守られているの意味だろうなあと思ったことがある。その時調べてた中で出てきたノアの方舟の話で、神からのお告げを受けて大きな船を残り生き残ったという件にOn The Rockのフレーズが出てきた気もする。ちなみにこの話でのrockは大洪水の中大きな船に乗ったノア一行が岩に座礁し助かったという意味だと思うんだが、まあ結局は神に守られたということになる。ちょっとうろ覚えですが。
一番無難なのは神様の元にいるからバビロンからは離れようっていうのが無難とは思った。が、しかし、Bobは自分の目で見たものや体験したこと、起きてることを歌ってるイメージもかなり強くて、その当時のジャマイカの状況を言っている可能性もかなりある気がするんだよなーという気持ちが捨てきれず、結局ここはトレンチタウンの爺さんの案を軸に行くことにしました。
(*2)
上にも書いたけどライオンはラスタマンにとっての神の化身であるかつてのエチオピアの皇帝”セラシアイ”を象徴している。
(*3)
この辺で出てくるTheyっていうのはラスタマンと対立するバビロン、悪の側の人たち。自分たちの利益や、力を得る為に違う民族や違う集団を故意に争わせているという意味である。そういったものは一見自分サイドにとっては正義であるといった大義名分をプロパガンダにしている。
(*4)
ここはTheyがラスタとは逆(ボブが逃げなきゃいけないくらいなので)の人達の気持ちには当てはまらない(セラシアイと対立する立場の人たちが望むことではない)のでBobのことを人々がそう言ってると解釈するのがベターかと。
(*5)
Seel-ya-bubって何の意味もない、『Yow』みたいな人になんか話を始める時とか、『いやはやー』みたいな会話の合間になんか出てくるワードみたいなものだそうでそもそもちゃんとしたスペルとかも決まっていないと思う。
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