ゴリガザの戦い

ゴリガザの戦い #2

MavadoとKartelどちらの曲名も”Songwriter”の戦い

前回に続き。Mavado先攻、Kartel返しで進みます。

RiddimはPower Cut Riddim。

動画では尺の問題もあり大半をカットしているがKartelはMavadoをきっかけに当時Mavadoが所属してたクルー”アライアンス”自体をdisりまくっている。今回はマヴァド🆚カーテルにフォーカスしているのでその辺は省いてる。

”アライアンス”はあのBounty Killerが率いる、ダンスホールの華もイカツさも兼ね備えたようなクルーであり、しかも後輩たちがBountyをDisるなんてありえないという感じだと思うんで、私の脳内ではKartelがヤクザの事務所に単体で身体中にライフルの弾ぶら下げて特攻してるような構図になっていたが、実際のところKartelにも初期からそれなりの味方はいたようでアライアンス無双というわけでもなかったみたいだ。そもそもKartelは曲を作って(リリックを書いて)提供するソングライター出身である実力派ってことは知られていた。ちなみにKartelは今に至るまでMavado然り、BountyやBeyonceなど幅広く曲を提供していますね。

私のポートモアの友達は当時高校生で、高校によってどっち派閥みたいなんがあり肉体的な闘争に発展したりしていたそうだ。ちなみにポートモア全土がGaza(Kartel)だったわけではない。ポートモアにもGully派閥はあった。

そうやって段々派閥が浮き彫りになっていったのもこのクラッシュが過熱していった一つの理由なんでしょう。ちなみに音楽から実際の争いに発展してしまうのは決していいことではないのは紛れもない事実だが、ジャマイカ音楽歴史の中でなかったことに出来ない部分であるのも間違いないから「こういうことが起きていたんだ」という客観的事実として受け止めていただきたい。

先攻:Mavado – Songwriter

[Intro:]

War dem a chuck it 

Mi push mi gun inna di fool mouth, and mek him suck it

Buss off di head and mek it drop inna one bucket

引用元:Mavado – Songwriter

奴らは戦争したがってる

俺の銃をアホ(カーテル)の口に突っ込んで舐めさせたろか

銃ぶっ放して頭をバケツに転がり込ませてやるよ

[Chorus:]

Some bwoy nuh know bout badman tings dem a just song writer(*1)

But long before mi sing a song mi was a sniper

Mi bullet bite off a head call it di viper(*2)

Becau dem snitch and dem go ditch dat’s wah they die fah(*3)

引用元:Mavado – Songwriter

奴はバッドマンてもんをわかってない、ただのソングライター(*1)

でも俺は歌い手になるずっと前からスナイパー

俺の弾丸はお前の頭の中を食いちぎる、それを意地悪な毒蛇と呼んでいる(*2)

奴らは裏切って去っていった それが奴らが死ぬ理由だ(*3)

※注釈※

(*1)

カーテルはこんなことになる前にマバドに五曲ほど提供したことがある。

また、歌の中ではバッドマンだけど実際はそうじゃないって意味もあると思う。

(*2)

Viperは毒蛇や意地悪な人間を指す言葉なので、「楽に死なせてあげない」と解釈

(*3)

snitch=インファーマー

ditch=人との関係を断つことを指したりもする

後攻:Vybz Kartel – Songwriter(Alliance Diss)

※TikTok動画の通りに進めます。

Di gangsta piss and shit himself bout nine times, dat’s di facts(*1)

(プロップ)

[Intro]

Hey singer, me yuh a call songwriter, eh?

War Teacher a gang fighter

Gunshot write off yuh gang like paper from di typewriter(*2)

Your boss mek yuh feel hyper(*3)

But this rifle, this sniper mek all a unu head blow like ten pied piper(*4)

Bout man a traitor, unu is a faker, listen mi Jamaica

[Verse 1]

Dem a pussy inna badman place

When yuh see mi gun inna mi hand & one pon waist

When mi a kill bwoy pon border(*5)

Mavado a barber weh a put powder pon man face(*6)

引用元:Vybz Kartel – Songwriter

その「ギャングスタ」はおしっことクソを9回も漏らしている それは事実だ

(プロップ)

[Intro]

歌い手さんよぉ、ソングライターって俺のことか、ん?

ワーティーチャーでギャングファイターのこの俺のことか?

ゴンショットがお前のお仲間さんたちを穴ボコにしてやるよ(*2)

紙に打ち込んだタイプライダーの如くな(*2)

お前ボスのおかげでデカくいれるんだもんなぁ(*3)

スナイパーが引き金となって このライフルがお前ら全員の頭吹き飛ばすことになる(*4)

まるでハーメルンの笛吹きのように(*4)

俺が裏切り者と言ったよな

お前らクソ嘘つきやな

ジャマイカ全国民聞け!

[Verse 1]

バッドマンの場所ではあいつらなんかただのプッシー

俺が銃を手に、さらに腰にも携えてた時

俺が境界線を超えて殺ししてた時(*5)

マヴァドは床屋で男の顔に粉ふっとったやろがい(*6)

※注釈※

(*1)

Mavadoの上記の曲のパンチラインと同じフロー。

(*2)

write off は修理不可能なくらいぶち壊すという意味があるのでソングライターだけにWriteの言葉をチョイスするのがうまい。

ほんで紙に打ったタイプライター=紙に穴を開けまくる=銃弾で穴ボコにして殺す。

すごい。

(*3)

boss=bounty killer

(*4)

スナイパー=マヴァド

Pied Piper=ハーメルンの笛吹き、主にアート的な要素で人を魅了することも指す

①ハーメルンの笛吹が笛を吹いたら(blow)人が消える

②俺が銃を打ったら奴らの頭が「吹き」飛ぶ(blow)

=俺のリリックで奴らは死ぬ。

Pied Piperの前にTenついてるのがちょっとよくわからんがリリックにかなりの数の名前が入ってるのでアライアンスの中の殺す人数ってことかなって思う。(10人殺す)

すごい。

(*5)

敵陣と自分の陣地の境界線

(*6)

床屋で働いてたから髭剃った後とかにパウダーをふる。

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