“地獄への道は善意で舗装されている”という諺がある。
初めてこの文面を見た時は「一番簡単に人を地獄に突き落とせるのは善意の皮を被った悪意である」という意味だと思ってた。
というのも、あからさまな悪意ってのは実際にはそこまで出くわすことがなくて、大体の人は事実がどうあれ「自分には悪意はないですよ」という立場を装うもんだと知っているからである。
実際の意味は「善意から始まった事柄が悲惨な結果を招く」というもの、又は「中途半端な善意はいい結果を招かない」などの解釈が定説となってるらしい。
悪意がなければいいというものでもないが、悪意を自覚して隠してるのはまだマシで、たまに悪意を悪意と自覚せずにナチュラルに害を及ぼしてくるモンスターみたいな人間が実際にいてこれが1番厄介である。
ということで今日の一曲は Bob Marley & The Wailersの”Who the cap fit”です、どうぞ。(動画)
【レゲエ 和訳】Bob Marley & The Wailers – Who The Cap Fit
人と人とは不条理なものさ
誰を信じていいのかなんて 分からない
君の最大の敵が親友になるかもしれないし
君の親友が最大の敵となるかもしれない
君と飲み食いを共にしながら
陰で君の噂をする奴もいる
君の友達だけが君の秘密を知っている
それをばらすことができるのも 彼だけさ
この帽子が合う者に それを被らせろ(*1)
(それに当てはまる者は それを認めろ)
この帽子が合う者に それを被らせろ
(それに当てはまる者は それを認めろ)
とうもろこしを撒けば呼ばなくても鶏はやってくる(*2)
(それに反応する者は それがあなた自身のことを示している)
俺は言うのさ 「クックック…クラックラックラッ…」
君を嫌っていながら 愛してるふりをする奴もいる
そして陰で 君を消そうと企んでいる
だが神の祝福を受ける者には 誰も害を及ぼせない
感謝します神よ 最悪な状況はもう過ぎ去った
偽善者と寄生虫が
食いものにしようと忍び寄る
そして夜が明け陽が出れば
(隠れていたものが明るみになると)
大勢の者が逃げ出すのだろう
この帽子が合う者に それを被らせろ
(それに当てはまる者は それを認めろ)
そしてとうもろこしを撒けば
呼ばなくても鶏はやってくる
こうするのさ 「クックック…クラックラックラッ…」
原文
[Verse 1]
Man to man is so unjust, children
You don’t know who to trust
Your worst enemy could be your best friend
And your best friend your worst enemy
[Pre-Chorus]
Some will eat and drink with you
Then behind them su-su ‘pon you
Only your friend know your secrets
So only he could reveal it
[Chorus]
And who the cap fit, let them wear it(※1)
Who the cap fit, let them wear it
Said I throw me corn, me no call no fowl(※2)
I saying, “cook-cook-cook, cluk-cluk-cluk”[Verse 2]
Some will hate you, pretend they love you now
Then behind they try to eliminate you
But who Jah bless, no one curse
Thank God, we’re past the worst[Pre-Chorus]
Hypocrites and parasites
Will come up and take a bite
And if your night should turn to day
A lot of people would run away[Chorus]
And who the stock fit let them wear it
Who the cap fit let them wear it
And then I gonna throw me corn
And then I gonna call no fowl
And then I gonna “cook-cook-cook”
Mmm, yeah, “cluk-cluk-cluk”引用元:Who The Cap Fit – Bob Marley & The Wailers
注釈
(※1)
If the cap fits, wear it「もしそれが自分に当てはまるなら、否定せずに受け入れるべきだ」と言う意味の諺。
If the Shoe fits, wear itとも言う。偽りの友達や裏切り者への批判とそういうものについての言及(警告)
(※2)
Said I throw me corn, me no call no fowlは、直訳すると「とうもろこしを撒いただけで、鶏を呼んだわけではない」
特定の誰かを名指しで批判はしていないが、その批判に反応するものはそれに心当たりがある人物であるという高度な嫌味。
この歌詞では、自分の言葉に反応する者は自分が裏切り者であることをわかっているという意味で
行動(反応)は言葉よりもがあなた自身をよく表しているという意味の諺に基づいている。
鶏=反応する人、すなわちこの歌詞の中での裏切り者を象徴していると考えられる。
そこからの鶏の鳴き真似は、単純に鶏と裏切り者をかけた上でその鶏(裏切り者)に対する軽蔑を表してると自分は解釈している。
“foul play”(不正行為)とかけた不正を行うものを表す”Fowl play”というダジャレ的な言い回しもある為、そういった解釈に結びつけることもできるが
これが正解!と明言してしまうよりは単に裏切り者を表してるんだろな〜くらいがちょうどいい受け取り具合な気はする。
完全にインスピレーションだけでいったら、裏切りや不道徳をする人間の虚しさをただ表してるだけに思える。
散々理屈で考えた後に、理屈を抜きにしてふっと感じ取れるものがなんだかんだで一番しっくりくるものである。
自分はこう思うというのがあればぜひコメント欄で教えてください!
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