【CHOPとは?】国際電話詐欺で金を騙し取る犯罪をCHOP(チャップ)と言う。ソレをする人をCHOPPA(チャパ)と言う。近年若いアーティストを中心にこのCHOP系のフレーズがリリックに使われることが多い。実際にガチでそういう詐欺で金を得ている人がいるが、楽曲に関しては一種のトレンド化してるような感じで実際に詐欺してなくて言ってるだけみたいなノリのところはあるが実際のところはよくわからん。最近なんか多いなと思うけど2019年Skillibengが出したBrik pan Brikから火がついたような気がする。ちなみに音楽からこういう犯罪が広まったのではなくこの詐欺行為自体は昔からある。
こういう音楽が流行るのはどうなんだと危惧する声があるが、個人的な見解では”金持ってるやつが正義”っていう風潮がジャマイカの歪んだ社会から生まれたことによる副産物だと筆者は思っており、もちろん詐欺行為自体は許し難い犯罪行為なのは大前提の上で、詐欺然りこういう音楽が金になるからやって何が悪いねんと開き直った感じになるのは根底に「文化的で健康的な最低限の生活」すらままならない貧困層の存在があると思ってる。結局金があれば自分や自分の周りが飯を食えるってところに大義があるので正当性を持たせてしまう部分はある。
こういった音楽に好き嫌いがあるのは当然ではあるけど、音楽はその時その時の社会情勢を強く表しているという側面があるので、規制したりとかしたところで現実で起きていることは何も変わらない。音楽による社会的な悪影響を懸念するのであれば、こういう音楽が生まれる大きな原因となっている社会のあり方まで追求する必要が出てくる。
ただそこまで考え出すとソレはもはや音楽っていうカテゴリーから外れているので、シンプルに音楽は音楽として好きな人が楽しめばいいものくらいに考えていいと思う。こういうものをきっかけに世の中を良い方向に変えていくための議論が起こったりなんかしたらソレはすごい建設的やし面白いなと思いますけどね。ただ、この音楽はよくないから抹殺せぇみたいなのはちょっと違うかなと思いますね。
【レゲエ 和訳】Malie Donn – Crook
”回線”を使う 俺は詐欺師(大泥棒)(*1)
また別の可愛いビッチが俺の元にやってくる
俺が彼女の腹にぶち込む時はショボい棘で刺すようなもんじゃぁない(*2)
シャバのママの鍋の飯に行列ができるみたいに、ギャル達が順番待ちしている(*3)
文字が読み書きできない(教養のない)女の子には学習用のノートをたんまり買ってこさせる(*4)
全身POLOで道に飛び出せば(出かけたら) 人々の視線が俺に集まる(*5)
多くのバカな男が誰とでも寝る女を本命の女にしてる(*6)
俺は目を伏せる、俺のグロック(銃)がお前らにピントを合わせてるから(*7)
スペインタウン!(*8)
[Chorus]
外に繰り出そう didee-didoh(*9)
俺は年中無休でオンライン
彼女は俺がマイロ(ミロ)みたいにスウィートだって言ってるぜ
どこぞのクソ野郎は警察を送り込んでくるみたいだぜ(*10)
可愛い小さなデーモン フリーク サイコなギャル達(*11)
俺のギャル達はクリーンなのさ(*11)
俺が”ケンカ”をしたがってると思うなよ(*12)
ライフルを3丁、ポートモアのレーンに届けてくれ(*12)
[Verse 1]
金が唸るほど回ってくるんだ
ここで生きる男として、貧困街の産物としてのな(*13)
小一時間回線に繋いだだけでリードシート(顧客情報)が一杯だ(*14)
おい、クソ野郎に言っとくぜ、「黙れ」
原文
Bang eh line, I’m a crook (big thief)(*1)
Anedda pretty b*tch a drop a foot
Suh when mi push it inna she belly a never macka jook (wah)(*2)
Line hot like Shabba madda pot a cook(*3)
Dem illiterate suh mi send dem guh buy a pack a book(*4)
Jump out fully Polo mi see a lotta look(*5)
Mi see lotta wasteman a wife up a batta’ foot(*6)
Shut mi eye cah fimi Glock a look
Yow Spain Town(*8)
[Chorus]
Yow jump out, didee-didoh(*9)
24/7 pon eh line I know
She a seh mi sweet like Milo
And know which p**syhole send eh Five-O(*10)
Pretty likkle demon freak, psycho(*11)
My gyal dem clean right through(*11)
Doh feel mi a three fight yuh(*12)
Send a Portmore lane fi mi three rifle(*12)
[Verse 1]
Right now di money tun up
As a dawg and as a ghetto product(*13)
Hours pon di line a suh di lead sheet bun up(*14)
Wullup, Tell a p**syhole seh fi shut up
引用元:Malie Donn – Crook
注釈
(*1)
Crook=詐欺師
ジャマイカで詐欺師というと国際電話詐欺が多い。
(*2)
Macka = Thorns 棘
俺の息子は短小サイズの可愛いものではない
(*3)
Dexta Dapsのヒットチューンでも知られた”Shabba Madda Pot”
シャバ(人)のマダ(ママ)のポット(鍋で作られた料理)
(*4)
教養をつけて出直してくださいみたいな感じ。
(*5)
Jump out=(家から)飛び出る
a lotta look=lots of people look mi(たくさんの人が俺を見る)
(*6)
batta’ foot=誰とでも寝る女
(*8)
ジャマイカのスパニッシュタウン
(*9)
didee-didoh=ただのフロー
(*10)
彼に嫉妬心を抱くものは警察にチクる
(*11)
過激なプレイしてくれる女、ぶっとんでる女も、他の男に股を開かない俺専属だからクリーン
(*12)
俺は可愛い喧嘩はしない、喧嘩するときは銃で撃ち殺すときだぜみたいな感じ
(*13)
Dawg=男友達とかを呼ぶときによく使われる言葉だが、ここではゲットーの男としてのみたいなニュアンス。Homeboy。
(*14)
lead sheet=詐欺するための個人情報が収集された紙のこと
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